2007/09/27

comicstudio4 proのファーストインプレッション

記事書き込むのほぼ一ヶ月ぶり…
原稿にかまけてすっかり忘れてたけどいつの間にか発売日当日、その日にソフトは届かなかった。
翌日、佐川から不在通知が入ってたので当日の再配達で受け取る。
が、ウチにはXP環境が無かったので製品版はしばらく保留。
しかし、会社のPCはXPだったことを思い出し、体験版を入れて試してみることにした。

[変わったところ]
◎ペンの書き心地が良くなった気がする。書き心地とはちょっと違うけど、引いた状態(縮小表示)で線を引いてもぶれたりしなくなった。ちなみに、全体が見渡せる状態で線を引いた方が意味のある線にしやすいので拡大率は50までにとどめるようにしてる。
線を尖らせたり、ぶれ補正とか細かなオプションも追加されている。有効かどうかは今後の使い込み次第。
○フルスクリーンモード
15インチVGAで作業しているので、タイトルバーの幅も作画に使えるのは重要。
しかし、フルスクリーンって普通タスクバーも隠さないか?
ついでにphotoshopみたく、スクロールバーも消えてくれるとうれしいのだが。
左右の△も邪魔。この辺はマイナーバージョンアップでなんとかならないかなぁ。せめて幅を狭くして欲しい。
△カラーレイヤーの追加
まだちゃんと使ってないのではっきりとは言えないが、これが使えればphotoshopで塗りという必要もなくなるかも…
ブラシサイズが大きくなると処理が重くなり、塗りに現実的ではなさそう。
なにより、ブラシ表現があまり代わり映えしないので…これってやっぱり、comicworksの影響なのかなぁ。
○カーソルキーで各種操作ができるようになった。
これで細かな位置あわせも楽になりそう。
あるツールではカーソルキーが効かなかったりして、インターフェイスとしての一貫性に疑問を感じたが、今回もつぶしきれてないかも?
◎他アプリケーションとのコピーペーストが可能になった。
これまでだとちょっとした画像もファイルにして読み込み→画像という手順を踏まなければならなかったので、非常に手間だった。体験版では他アプリケーションへのコピーはできないけど。
○閉領域フィル
まだ使った事ないけど便利そう。Ver3にもあった?(汗)
○レイヤーパレット上でレイヤー名の変更ができるようになった
レイヤー名はわかりやすくしておかないと後で困る。
○パース定規
アイレベルの固定は良い。でも、傾いたアイレベルの固定ができないのはなぜ?チェック入れると必ず原稿に対して水平になってしまう。バグ報告したいけど、仕様で片付けられそうでイヤだなぁ。
あれ?ガイドの追加がなくなってる…?俺、よく使ってたんだけど。困った。
△作品の解像度を途中で変更することが可能になったみたい。でも実行しようとすると「内容をクリアする」と言われる。実行してみると、ホントにクリアされた(汗)これ使わなくても、コピペで対応できたりして。(未確認)
○以前のファイルの読み込みは早くなっていると聞いていたが…あんま実感はない。ただ、読み込み中にプログレスバーが表示されるようになったので、精神衛生上良い。
◎コマレイヤーや3Dの編集がシームレスに作業できるようになった。前は別ウィンドウが開いたりとかお世辞にも使い勝手が良いとは言えなかった。そもそも、特殊なレイヤーが多すぎるのでそのたびに別のウィンドウが開くのは、使う側からするとしんどい。ver3で慣れてしまったが(汗)。ちなみに、Ver3のファイルもVer4で変換なしで開ける。ファイル構造に変化はないみたいだけど、ver4で編集したファイルをver3で編集できるのかは未確認
○セリフにあわせたフキダシ自動生成、今まで使ってなかったのだけど、結構便利。
次の作品に使ってみよう。
○メニューの最近使ったファイルが上の方に来て使いやすくなった。細かいことだけど、使い勝手を考えると結構重要。
◎ストーリーエディタ
期待!

[相変わらず]
・用紙サイズの最大は縦横42cmの正方形。
・トーンの回転機能
グラデトーンの角度調整スライダだと0°と360°がつながってないので、-4°とかいった方向に回せない。
数値入力すればとは思うけど…
せめて、0°を中央に+360°、-360°指定できるようにしてくれればいいのに…ただ、それだけ指定幅があると、あのスライダの長さではクイックになりすぎる気がするので現実的ではないか…。
・トーンの重ね張り時の基点調整
俺は影とパーツを同じ線数にしてその都度調整しなければならない
俺が重ね貼りしすぎなのかも(汗)。絵の方をどうにかする方向で。
・選択範囲内の移動
絵を描くと考えれば、そんなに使う機能ではないのだろうが…
・ツール内の道具(たとえば、ペンツールのGペン)にショートカットを割り当てることができない
・消しゴムで薄消しができない
・各ツールごとにツールで色を保持するようにして欲しかった
ホワイト修正ペンとかうすけしペンとかトーン削り(描画色透明)、トーン噴出し(描画色黒)とかいった使い方ができる気がする。薄けしペンができれば消しゴムツールは現状のままでよい気がする。
・モザイクのブロックサイズを後から変更できない。
適用してみたらブロックが細かすぎてモザイクになってねーってことがしばしば(汗)
・すみ塗り修正として線引きツールを使おうと思ったが、ペンの形状を四角にしただけだと角が直角にならず、画面に原稿に対して常に直角になる。
→「向きを固定」のチェックをはずせば可能だった。ver3の頃から(汗)
・レイヤーファイルの読み込み
どれがどれだかわからない。
コマレイヤーを間違えて編集したとき、元に戻したいが、コマレイヤーの編集画面を終了させる方法は反映させて終了しかないので、以前の状態に戻すことが困難。そこで、ファイルからレイヤーを読み込もうとしたわけだけど…どれがどれかわからなかった。
→コマレイヤーがシームレスに編集できるようになったので、レイヤーファイルの読み込み自体、使うことがなさそう。でも相変わらずなんだよなー。プレビューでもつけてくれればいいのに。
・tabを使ってもいいんだけど画面見ながらの作業の場合、隠れてしまうのはうれしくない。
しかも、tabでツールパレット消した状態で終了させると次回起動時にtabでツールパレットを表示させるとすべてのパレットが表示されてしまう。これってver3から変わってない。
・印刷設定は見やすくなったけど、機能的には変化なし。
俺は希望通りの印刷がなかなかできないので、何度か印刷しなおすことがしばしば。
・基本的にラスターレイヤーを使っているので、仕上げラスターレイヤーと下書きラスターレイヤーといった二種類のラスターレイヤーの初期設定ができるようになると楽なのだが。
・拡大表示した状態でのストロークは相変わらず重い。また、ペンのサイズが太くなると極端に重くなるのは相変わらず。先にも書いたが、こんな状態ではカラーのペイントは考えにくい。
・選択範囲ランチャーをオフにしても、次回起動時には必ずオンになっている。これは体験版の制限なのかも?
・テキストのスタイル設定中、フォントが確認できないのはいただけない。まあ、フォント自体を大して持ってないので使うフォントは限られているが…。

期待はずれだった
・photoshopCS3のようにインターフェースになるのかと思ったら従来のまま。ビギナー向けとして提供はしているが、カスタマイズが効かないので、使うことはなさそう。
従来のツールパレットも洗練されたと言われれば聞こえはいいけど、変わってない。
俺としては、ツールパレットの位置固定して欲しい(Xwindowなんかであるピンで止める感じ)。画面が狭い(VGA)ので、折りたたみ(タイトルバーをダブルクリック)するのだが、タブレットでの操作だとどうしてもドラッグになってしまうことがあり、そのたびに移動してしまってストレスになる。
固定化されているときはタイトルクリックで折りたたみ状態が切り替わるともの便利だと思うのだが。
でもみんな大画面で作業しているのだろうから、そんなの使わないのだろうなぁ。
ああ、でもキンティオ?(液晶タブレット)の小さい奴だったらVGAサイズだったから、同じようなニーズはありそうな…
間違っても、カーソルを近づけたら自動で開き、離れたら折りたたむといったことはしないで欲しい(笑)
・カラー機能の追加といい、3D機能の拡充といい、基本機能をほったらかしにして余計な事ばかり拡張しているような気がしなくもない。書き味が良くなったのは歓迎すべきことだが…
もっとユーザが求める基本的な使い勝手を向上させるべきなのでは?
体験版なので、CS3で作成したファイルを開けないからなんともいえないが、果たしてどれくらい処理が最適化されているのか楽しみ。俺の場合トーン多用なので、表示が重い重い(笑)。グラデトーンの編集(位置あわせとかトーン削りとか)に苦労しまくってた。
・拡張子の関連付けが強制。ver3と共存させて、ver4をサブで利用する事を前提とした場合、強制的にver4に割り当てるこの方法はうれしくない。インストール時に拡張子の割り当て指定ができるとよいのだが。
・ためしにWindows2000に入れてみた。インストールは成功。でも起動時にチェックが入って起動できないと言われた。それならインストールの段階で止めろよ…
・中ボタンにも機能を割り当てて欲しかった。とりあえず、タブレットの設定で、中ボタンをspaceに割り当ててスクロールに使用している。saiみたく、ペン一本でがりがり描けるようにならないかなぁ。

バグ?
?プロパティのツールタブを折りたたんだ状態で「やり直し」を実行するとプロパティが勝手に開かれる。体験版の制限か?→製品版でも同様っぽい。つか何かしら折りたたんでいたプロパティウィンドウが開かれる。余計なことしないで。
?タスクバーを左側縦に表示した状態でフルスクリーン表示すると、スキマだらけのなんともいえない大きさにリサイズされる。バグ…だよな?
?素材(トーンとか)を編集ウィンドウにドラッグ中に右クリックでキャンセルしようとすると、ドラッグ中のアイコンが残ってしまう。
Ver3でも同様な現象が起きるが、もっとひどくて、マウスカーソルが消えてしまうため作業が困難になる。ソフトウェアの再起動が必要になるわけだが、マウスカーソルが消えない分マシにはなった?
?ツールパレットのver4とクラシックスタイルの違いってなんだろう?マニュアル読めって話か…

買って正解かと聞かれると、3.0で慣れている人なら微妙。ペン入れをコミスタでやってない人は買い換える必要ないかも?でも今まで別売りだった素材がデフォでついてくるから、お買い得感はあるかも。(特にフォント)
いろいろ文句はつけたけど、マンガ描き始めたきっかけってコミスタが存在したから。コミスタがなければマンガを描こうと思わなかったはず。それくら俺にインパクトを与えてくれたソフトだったりする。
もっともっと使いやすくなって欲しいのだが、開発ペースがちょっと遅い。会社の売り上げにはあんまし貢献しないのだろうけど、こういった基礎技術ってcelsysが持ってるほかのソフト資産にも生かせるはずなので、無駄にはならないと思うんだけどなー。何より、日本の漫画家を支えるツールになって欲しいと本気で思っている。…インターフェイスまわりはパクリでもいいので、送球になんとかして欲しい(汗)。
Comicworksも頑張って欲しいのだが、バージョンアップは見込めなさそう(涙)

ファーストインプレッションはこれいくらいにして、次からは実際のマンガ制作にあわせてレビューを進めていくつもり。
まずはコンテからだなぁ。気になっていたストーリーエディタの使い心地を確認したい。